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『後悔のないお別れなんて、あるのでしょうか。

更新日:4 日前

後悔のないお別れなんて、あるのでしょうか。

 

「あのとき、もっとこうしてあげればよかった」

 

ぶーちゃんが旅立ってから、その言葉が何度も頭に浮かびます。

 

ぶーちゃんは、我が家で16年間一緒に暮らしたトイプードルです。

本当の名前は「ウェーブ」。

 

でも、気に入らないことがあると「ブーブー」って鼻を鳴らすのが可愛くて、


いつの間にか家族みんな「ぶーちゃん」と呼ぶようになっていました。

 

 

先住犬のイチくんを見送ったとき、私はたくさんの後悔を残しました。


急に具合が悪くなったその日、私も夫も県外へ出かけていて、


すぐにそばにいてあげることができませんでした。

 

そのまま緊急手術、入院となり、イチくんは病院でひとり、


最期の時間を迎えました。

 

もう少し一緒にいる時間がほしかった。


家に連れて帰ってあげたかった。


最期はそばにいてあげたかった。

 

そんな思いが、ずっと心に残っていました。

 

だから、ぶーちゃんのときには、

 

できるだけ家で一緒に過ごそう。

できるだけそばにいよう。

最期は腕の中で。


そんなふうに決めていました。 


ぶーちゃんが体調を崩してから、約7か月。


何度も大きな波はありましたが、そのたびに一緒に越えてきました。


食べられそうなものを探したり、好きなフルーツをあげたり。


家で介護する時間もたくさんもらいました。

 

そして最期は、私たちの腕の中で見送ることができました。

 

振り返ってみれば、イチくんのときに「ああしてあげたかった」と思っていたことを、


ぶーちゃんには、ほとんどしてあげることができたのだと思います。

 

あんなに願っていたお別れのかたちだったはずなのに。

 

それでも私は、

「あのとき、もっとこうしてあげればよかった」と、何度も思いました。

 

ぶーちゃんを見送ったあと、私はお風呂に入ることができませんでした。

 

最後に抱っこした腕や手に、まだぶーちゃんの感触が残っている気がしたのです。


お風呂に入ったら、その感触まで洗い流してしまうようで、それがどうしても嫌でした。

 

その日は結局、お風呂に入ることができませんでした。

 

心理学では、大切な存在を失ったときに起こる心の反応を「グリーフ(悲嘆)」と呼びます。

 

悲しみだけではなく、怒りや罪悪感、「もっとできたはず」という後悔が出てくることもあります。


それも、大切な存在を失ったときに起こる自然な心の動きです。

 

「あのとき、こうしていれば」

「もっといい薬を飲ませていれば」

「もっと早く気づいていれば」

 

そう考えながら、

「私は十分にしてあげられなかった」

「私がもっとちゃんとしていれば」


そんな思いが、次から次へとあふれてきました。

 

お盆に息子たちが帰省したとき、ぶーちゃんの最期の話をしました。

 

「もっといい薬を飲ませてあげたかった」

「もう少し痛みを和らげてあげられたんじゃないかと思う」

 

そんな話をする私に、息子は、


「ぶーちゃん、最後にお母さんと一緒に寝られて嬉しかったと思うよ」

「ぶーちゃんも、お母さんも、みんな本当によく頑張ったんだと思うよ」

 

と言いました。

 

私は、できなかったことばかりを見ていました。

 

自分を責め、夫に対しても、

「もっとやってくれたらよかったのに」

と思ったり、それをぶつけたこともありました。

 

でも息子たちは、違うものを見ていました。

 

最後まで一緒にいられたこと。

みんなで頑張ったこと。

ぶーちゃんも嬉しかったんじゃないか、ということ。

 

同じぶーちゃんの最期なのに、こんなにも見えているものが違うんだなと思いました。

 

そして、ふと思ったんです。

私は、こんなにも大切に愛したぶーちゃんを、自分を責めるために使っていたんだな、と。

 

それは、もうやめようと思いました。

 

自分を責めるのを少しやめてみると、そこに残ったのは、とてもシンプルな気持ちでした。

 

 

「もっと一緒にいたかった」

 

 

あと1回でいいから、抱っこしたかった。

 

ううん、もう3回でも10回でも、何回だって抱っこしたかった。

 

まだまだずっと一緒にいたかった。

 

今はただ、「ああ、こんな気持ちがあったんだね」って、


自分の気持ちに気づいてあげることなのかなと思っています。

 

何か答えを出そうとしたり、そこに意味を見つけようとしたりしなくてもいい。

 

ただ、今はそんなふうに思っています。

 

 

もし今、この文章を読んでくださっているあなたにも、

 

「あのとき、もっとこうしてあげればよかった」

「ほかにできることがあったんじゃないか」

そんなふうに悔やんでいるお別れがあるのなら。

 

その思いが出てきたとき、「あ、私、自分を責めているのかもしれない」と、まずは気づいてみてほしいのです。

 

気づいたら、そこで少し立ち止まってみる。

 

そして、できなかったことだけではなく、


そのときの自分がしてきたことにも、少し目を向けてみる。

 

 

あなたにもきっと、そのときのあなたなりに、


大切な人のためにしてきたことがあると思うのです。

 

それから、

 

 

「十分やったんだよ。ありがとう」

 

 

そんな言葉も、自分にかけてあげてほしいなと思います。

 

大切に愛したその人やその存在を、


自分を責め、自分を攻撃するために使わない。

 

私もまだ、それを意識している途中です。

 

どうしても自分を責めるところへ戻ってしまうときには、


誰かに気持ちを話してみるのもいいかもしれません。

 

よかったら、カウンセリングもそんなふうに使ってくださいね。

 

私もまだ、涙も出ます。

 

それでも、ぶーちゃんは私の心の中に“居場所を変えて”、


これからも一緒に生きていくのだと思います。

 

また朝が来て、今日を大事に生きること。

 

それが、ぶーちゃんと過ごした16年を、


これからも大切にし続けることなのかもって、

 

今はそう思っています。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました🌿





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